5:00に起床。朝からすばらしい快晴。まずは大湯で一浴して部屋に戻る。天気が良いからか相棒も登山に乗り気で出かけることにする。慌ててご飯を炊き、おにぎりを作る。中に入れる具がないので「みそ焼きおにぎり」にした。そんなこんなで出発が遅れ、出たのは7:47。
目指すは慈覚大師が経文を埋めたと伝えられる経塚山。標準行程時間は登り3時間50分、下り2時間50分で都合7時間弱なので、12時前に頂上に着いて昼食を取り、15:00に宿に戻る計算だ。昨日の天狗の岩に至る作業道を15分ほど行くと牛形山・経塚山への登山道に着く。細い山道を登ること数分で分岐に、更に10分程で下界を見渡せるスポットに着いた。
こんなに登ってきたかと思えるほど谷が深く、夏油温泉の先に北上の町並みが見えている。5分ほど進んだところがとりあえずのピークでそこから夏油川に向かって下っていく。途中で名も知れぬ沢があり、給水としばしの休憩。ここから夏油川にまで下り、対岸に渡ってから更に登って行くのが経塚山や焼石岳への登山路だ。温泉から沢伝いに登って来れば200m余りの上り下りをせずにすんだだろうが、時間的にはこの作業道コースの方が早いのだろう。
沢を横切り、左手に降りていくと夏油川が見えてきた。渡渉するのかと思っていたら、真っ赤な橋が架かっている。一昨日の「蛇の湯滝」のおばあさんが「経塚山に行く途中の夏油川沿いに湯の湧いているところがあって、昔は入れた」と言っていたのを思い出し、橋の真ん中で周囲を見渡せどもそれらしき形跡はなし。かつては、こんな立派な橋などなかったのだろう。渡渉する際に登山者が湧いている所を見つけて囲って入ったに違いない。諦めて橋を渡るとすぐにロープの張られた岩場があり、ここから急登となるが思ったほどではない。
「経塚山まで3.6km」の標識を左に見た辺りからは九十九折の道でブナ林の中を歩む。第一水場についたのが出発から2時間後。広場になっていて木が横たわり腰掛けられるので、小休止。3本くらい斜面から流れ込んでいる内の一本にコップを差し出して沢水を飲む。ゴミも混じるが甘くて旨い。
ここを出てまもなく石庭のような岩の多い地点に来たら急にヒンヤリとした冷風が吹いてきた。空が曇り、雨模様になってきたのかと思ったが、周りをよく見るとダケカンバや栂などが自生し、苔むしている。いわゆる風穴地形の「お坪の庭」であった。第2水場を過ぎた辺りから樹高は低くなり、
木道付きの小湿原が現れ、右にトラバースしてやや行くと経塚山の肩にでて、背の低い灌木とお花畑が広がってきた。頂上まではまもなくだが、天気がどんどん悪化してガスが南斜面から吹き上げ、風も強くなってきた。花を撮ろうとしても風に揺れてうまくいかない。登山道も細く笹などに覆われて段差が見えず注意して歩かないと危ない。頂上は近いだろうに中々見えてこず、天気もどんどん下り坂。高山植物をゆっくり撮りたいが、とにかく頂上へと急ぐ。







10:52、予定より1時間早くたどり着く。往路で3パーティに出会い、時間も時間だから頂上は誰もいないだろうと思ったが、男性が一人いた。ガスに覆われて頂上からの眺望はなし。記念写真を撮ってもらう。
「眼鏡をなくしたので探してくれますか?」といわれて探す。結局本人が見つけたが、これを機に色々話す。「焼石岳や牛形山など何にも見えないね!」というので私は、「日本第2の高峰・北岳に何度も行きながら一度も晴れ間を見たことない。まさに“来ただけ!”」なんて冗談を飛ばしたり、6月下旬に行ったあの過酷な八ヶ岳山行の話をしたら、その方も6月初旬に行ったらしい。八ヶ岳は、「南から登って編笠山・権現岳・赤岳のコースが面白い。私は権現岳が好きなんです」って言ったら、すごく興味を持たれたようで、すっかり盛り上がってしまった。「山の話を始めたらキリがないねー!もっと話したいが、秋田まで帰るので私はこの辺で・・・」と言って下山して行った。天候悪化が予想されたことや風が強いので、簡単なレーション程度で昼食に換え、我々も下山することにした。時計は11;20を指している。頂上にいた時間は27分間であった。
下山からほぼ40分後、第一水場で再びその方に会う。一緒に写真を撮り、後は3人で話しながら一緒に下山。その方は秋田県男鹿市のYさんという方であった。私より若そうに見えたが、暦年齢は10余り上だった。毎日人生を謳歌して活き活き生きている方は若い! 山での出会いってなんて素敵なんだろう!!
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